最終更新日 2024年8月10日 by やまふじ農園
フードマイルズ運動とフードマイレージ
フードマイルズ運動とは
フードマイルズ運動というのは、食べ物の輸送距離と環境への負荷を考えて、できるだけ地元で作られた食材を選びましょうという運動なんです。
この運動の背景には、長い距離を輸送することで増える二酸化炭素の排出量や、地域経済に与える悪影響があります。
例えば、地元で作られた野菜や果物を買うことで、その輸送にかかるエネルギーを減らし、環境への負荷を少なくすることができますし、地元の農業や経済を支えることもできるんです。
フードマイルズ運動は、私たちが日々の生活の中で環境保護に貢献できる簡単な方法の一つです。
近所の農家が作った新鮮な食材を選ぶことで、輸送にかかるエネルギーを減らし、地元経済を支援することができます。それに、地元産の食材は新鮮で美味しいですし、生産者の顔が見えることで安心感もありますよね。
フードマイレージとは
フードマイレージという言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、これは食べ物が生産地から消費地まで運ばれる際の距離を表す指標なんです。
具体的には、食べ物の輸送距離(キロメートル)と輸送量(トン)を掛け合わせて計算します。
例えば、1000キロメートル離れた場所から1トンの食べ物を運ぶと、フードマイレージは1000トン・キロメートルになります。
フードマイレージ=輸送距離(キロメートル)×輸送量(トン)
フードマイレージが高いということは、それだけ食べ物の輸送による環境負荷が大きいということなんです。
長距離を運ぶために使われるトラックや船、飛行機は大量のエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出します。ですから、フードマイレージを低くすることが環境保護に繋がるんですね。
かぼちゃの産地でこんなに違う環境負荷!
東京でかぼちゃを購入するとき、その原産地がどこかによってフードマイレージは大きく異なります。
- 千葉県産のかぼちゃ の場合、東京までの輸送距離は約50キロなので、フードマイレージは 50トン・キロメートル です。
- 北海道産のかぼちゃ になると、約1,150キロの距離を運ばれてくるため、フードマイレージは 1,150トン・キロメートル になります。これは千葉県産の約23倍です。
- 一方、メキシコ産のかぼちゃ では、東京までの距離が約11,300キロもあり、フードマイレージは 11,300トン・キロメートル に達します。これは千葉県産のなんと226倍にもなります。
これらの数値を比較すると、かぼちゃ一つを運ぶのにどれだけのエネルギーが使われるかが明確になります。輸送距離が長くなるほど、環境への負荷も大きくなり、地元で生産された食品を選ぶことがいかに重要かがわかりますね。
次にスーパーでかぼちゃを手に取るときは、ぜひフードマイレージにも注目してみてください。身近な選択が、環境に優しい未来へとつながる一歩になるかもしれません。
私たち消費者ができることとして、地元産の食材を選ぶことが一番簡単で効果的な方法です。地元の農産物を使った料理を楽しむことで、フードマイレージを減らし、環境への負荷を軽減することができます。また、地元の農家を応援することで、地域全体の経済も元気になります。
フードマイルド運動の具体的な実践方法
- 地産地消の促進:
- 地元で生産された農産物を販売する直売所や、地元産の食材を使用した料理を提供するレストランを利用することで、フードマイレージを減らし、地元の農家を支援することができます。学校給食でも、地元産の食材を積極的に取り入れる取り組みが進んでいます。
- 都市農業、都市近郊の推進:
- 都市農業、特に都市近郊農業は、単に食料を生産するだけでなく、都市の持続可能性や住民の生活の質向上に多大な貢献をしていると言えるでしょう。
- 食料の安定供給と地産地消の促進:
- フードマイレージの削減により、輸送コストや環境負荷を低減できます。
- 都市部での食料生産は、災害時などの緊急時の食料確保にもつながります。
- 新鮮な農産物を消費者に届けることができます。
- 都市環境の改善:
- 緑を増やし、都市のヒートアイランド現象を緩和します。
- 空気を浄化し、生物多様性を促進します。
- 都市住民に緑豊かな空間を提供し、精神的な健康にも良い影響を与えます。
- コミュニティ形成と教育:
- 都市農園やコミュニティガーデンは、地域住民の交流の場となり、コミュニティ形成を促進します。
- 子供たちの食育や環境教育の場としても活用できます。
- 都市住民が農業に携わることで、食に対する理解を深め、食の大切さを学ぶことができます。
日本のフードマイレージの現状と課題
現在、日本は多くの食べ物を海外から輸入しています。特に小麦や肉類、果物などの輸入量が多く、その結果、日本のフードマイレージは高い水準にあります。アメリカやオーストラリアから輸入される小麦や牛肉は、長距離の輸送が必要で、その過程で大量の二酸化炭素が排出されます。
長期的には、日本の食料自給率を上げることがフードマイレージを減らすための重要な課題です。政府や農業団体は、地元産の食材を増やすための施策やキャンペーンを展開しており、消費者にも地元産の食材を選ぶことの重要性を訴えています。例えば、「地産地消」の取り組みや、地元農産物のブランド化、直売所の充実などが行われています。
消費者も、フードマイレージの概念を理解し、購入する食材の産地や輸送方法を考慮することが求められます。身近なところでできることから始めて、環境への負荷を減らし、持続可能な社会を目指しましょう。
フードマイレージを低減するための取り組み
輸入食料のフードマイレージを低減するためには、いくつかの取り組みが必要です。
- 地元産の食材を利用する:
- 地元で生産された食材を利用することで、輸送距離を短縮し、二酸化炭素の排出量を減らすことができます。また、地元の農業を支援することにもなります。
- 輸送方法の見直し:
- 輸入食料が必要な場合でも、より環境負荷の少ない輸送方法を選択することが求められます。例えば、空輸に比べて船便を利用することで、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができます。
- 効率的な輸送システムの導入:
- 複数の食材を一度に輸送するコンテナ輸送や、冷凍技術の向上などが挙げられます。これにより、輸送効率を高め、環境負荷を減らすことができます。
- 消費者の意識改革:
- 消費者自身がフードマイレージを意識して食材を選ぶことも重要です。地元産の食材を積極的に選ぶことで、輸送距離を短縮し、環境への負荷を減らすことができます。
日本の輸入食料とフードマイレージの長期的な視点と現在の状況
長期的な視点
長期的に見ると、日本の食料供給におけるフードマイレージの高さは、持続可能性を脅かす大きな要因となります。日本は食料の多くを輸入に頼っているため、国際的な供給チェーンの変動や価格の変動に対して非常に脆弱です。例えば、輸入先の国で気候変動や政治的不安が生じると、食料の供給が不安定になり、価格が急騰する可能性があります。
さらに、長距離輸送による環境負荷も深刻な問題です。輸入食料の輸送には大量の二酸化炭素が排出されるため、地球温暖化の一因となっています。特に、空輸は船便に比べて二酸化炭素の排出量が多いため、環境への負荷が大きいです。これにより、持続可能な社会の実現が難しくなります。
現在の状況
現在、日本の食料自給率は低下傾向にあります。1970年代には自給率が70%を超えていたのに対し、最近では40%以下にまで落ち込んでいます。このため、日本はますます多くの食料を海外から輸入しています。その結果、フードマイレージも高止まりしており、環境負荷が増加しています。
政府や農業団体は、地元産の食料を増やすための施策やキャンペーンを展開しています。例えば、「地産地消」の取り組みや、地元農産物のブランド化、直売所の充実などが行われています。地産地消は、地元で生産された食材を地元で消費することで、輸送距離を短縮し、フードマイレージを低減することを目指しています。また、地元産の農産物をブランド化することで、消費者に対する訴求力を高め、地元産食材の消費を促進しています。
消費者も、地元産の食材を選ぶことで、環境負荷を軽減し、地域経済を支えることができます。例えば、地元の直売所で新鮮な野菜や果物を購入することで、輸送に伴う二酸化炭素の排出を減らし、地元の農家を応援することができます。直売所では、地元で採れたばかりの食材を手に入れることができるため、食の安全性や新鮮さも確保されます。
持続可能な食料供給のための取り組み
フードマイレージを低減し、持続可能な食料供給を実現するためには、消費者、農業者、政府が一体となって取り組む必要があります。以下にいくつかの具体的な取り組みを紹介します。
- 地元産食材の選択:
- 消費者が地元産の食材を積極的に選ぶことで、輸送距離を短縮し、環境負荷を軽減することができます。例えば、地元の農産物直売所やファーマーズマーケットで買い物をすることが効果的です。
- 農業の多様化と持続可能な農業技術の導入:
- 地元での多様な農産物の生産を奨励し、持続可能な農業技術を導入することで、食料自給率を向上させることができます。例えば、有機農業やスマート農業技術の導入が進められています。
- 政策の推進:
- 政府は、食料自給率の向上を目指した政策を推進し、地元産食材の消費を促進するためのキャンペーンを展開しています。また、環境に優しい輸送方法の導入を奨励する政策も重要です。
- 教育と啓発:
- やはり何事も教育は大切で明日の消費者である若年層に対してフードマイレージの重要性を教育し、地元産食材を選ぶことのメリットを啓発することが必要です。学校教育や地域イベントなどで、フードマイレージや地産地消について学ぶ機会を提供することが効果的だと思います。
フードマイレージを低減するための取り組みは、環境保護だけでなく、地域経済の活性化にも繋がります。地元産の食材を選ぶことで、私たち一人一人が持続可能な社会の実現に貢献できるのです。
とりあえずは、あなたの住む地域に近い産地の農産物に注目して買ってみてください!!