最終更新日 2023年12月16日 by やまふじ農園
海老芋とは??
海老芋は、独特の形状と味わいを持つ里芋の一種です。特に煮崩れしにくく、濃厚な味わいが特徴で、京野菜の一種としても知られています。
海老芋は、通常の里芋に比べて柔らかく、煮崩れしにくいため、煮物などの料理に適しています。
また、京都の料亭では海老芋を海老やマツタケの形に細工することもあり、その伝統的な価値も高く評価されています。
さらに、栄養価が高く、カリウムや食物繊維が豊富であることから健康面でも注目されています。
海老芋の旬は11月から1月で、この期間に最も美味しく楽しむことができます。
この時期、京都の料亭、割烹では海老芋がメニューに名を連ね海老芋のシーズンが始まります。
海老芋は煮物や揚げ物、炒め物など様々な料理に利用できます。
煮物ではその煮崩れしにくい特性が活かされ、濃厚な味わいを提供します。
また、京都の伝統料理「いもぼう」やコロッケ、唐揚げなど、多彩な料理に応用されています。
海老芋は、その独特な特徴と豊富な栄養価により、日本料理において重要な位置を占めています。
またサトイモの仲間ですが独特の食感があります。
加熱すると裏ごしした芋を型にはめて整形したくらいの滑らかさを誇ります。
サトイモが木綿豆腐なら海老芋は絹ごし豆腐くらいの食感の違いがあります。
京野菜としての価値とともに、健康面での利点も含め、さまざまな料理での使用が推奨されます。
海老芋の歴史や、日本文化におけるその役割。
海老芋は、江戸時代の1772年から1781年頃に、青蓮院宮が長崎から持ち帰った唐芋を、平野権太夫に円山(八坂神社付近)で栽培させたことが始まりとされています。この芋は土寄せによって大型で良質なものが取れ、その形が海老に似ていることから「海老芋」と名付けられました。
海老芋は、親から子へと次々に増えることから縁起物として重用されています。また、曲がった形状と表面の黒い横縞が特徴で、海老の形に似ているので海老芋と呼ばれるようになりました。
その食味は里芋の中でも最高と評価されています。煮ても煮崩れせず、色も変化しないため、煮物やおでんなどに最適です。
京料理の中でも、海老芋は「いもぼう」という料理で知られています。芋棒は、棒だらと海老芋を煮込んだもので、その優れた風味と粘り気のある食感が特徴です。また、海老芋はから揚げなどの料理にも用いられ、独特の食感を楽しむことができます。
現在、円山にて平野権太夫を祖先に持つ いもぼう平野家本店 さんが名物料理として、いもぼうを出しておられます。
いもぼうは、海老芋と棒鱈を炊き合わせた煮物でその二つの食材の名をとって、いもぼうという料理名となりました。
海老芋の荷崩れを棒鱈の膠成分が防ぎ、海老芋のあくが棒鱈を柔らかくします。
このようにお互いの長所を引き出す食材を「出会いもん」表現します。
海老芋は長崎から、棒鱈は北海道から。二つの食材が京都で出会い素晴らしい料理となりました。
海老芋は、その独特の形状、風味、栄養価の高さから、日本料理において重要な役割を果たしています。伝統的な京料理における重要な食材として、その歴史と文化的背景は非常に重要です。
海老芋の様々な食べ方。
海老芋のとろとろ煮っ転がし: 海老芋を一口大に切り、しょうゆ、みりん、砂糖を加えて煮込むだけのシンプルな煮物です。水分がなくなるまでゆっくり煮ることで、海老芋のホクホクとした食感と味わいを楽しむことができます。食感は海老芋特有の滑らかさです。
海老芋コロッケ: 茹でてつぶした海老芋を豚ひき肉や玉ねぎと混ぜ、丸めてパン粉をつけて揚げるという一般的なコロッケのレシピです。海老芋のねっとりとした食感が特徴のコロッケになります。
海老芋は里芋の仲間なのでジャガイモよりカロリーが少なくヘルシーです。
海老芋のクリームシチュー: このレシピは普段作るクリームシチューのジャガイモを海老芋に変えるだけです。海老芋の白さがクリームシチューによく合い、滑らかな食感は初めて食べる人を驚かせます。
おでんや炒め物にも: さまざまな煮込み料理に適している海老芋は、おでんの具材としても最適です。また、炒め物やコロッケなど、里芋を使うような様々な料理に海老芋を使用することができます