用水路脇の雑木?トウカエデ

最終更新日 2025年8月2日 by やまふじ農園

真夏の空がどこまでも広がる、気持ちの良い朝でした。田んぼの見回りで軽トラックで用水路脇の農道を走っていると、ふと目に留まった街路樹。何気なく眺めていたのですが、「あれ?なんか面白い花が咲いてる?」と、思わず目を凝らしました。

近づいてよく見てみると、それは花ではありませんでした。小さなヘリコプターがいくつもぶら下がっているような、なんとも可愛らしい姿の「実」だったのです。その形状は、モミジやカエデの実によく似ています。「カエデの仲間なのかな?」と、その場でスマートフォンを取り出し、写真を撮ってみました。

実は、以前から使ってみたかった「Googleレンズ」という機能があったので、今回初めて試してみることに。撮った実の写真をGoogleレンズで検索してみると、なんと「トウカエデ」という名前が、一発で出てきたのです!その瞬間の驚きと感動といったら!スマートフォンのカメラを向けるだけで、瞬時に植物の名前がわかるなんて、Googleレンズの凄さを改めて実感しました。

トウカエデの実

スマホで調べてみるとトウカエデは中国や台湾を原産とするカエデの一種で、江戸時代中期に日本に渡来したとのこと。紅葉がとても美しく、街路樹や公園樹として広く植えられているそうです。特に八代将軍徳川吉宗が紅葉狩りのために植えさせたという話には、歴史のロマンを感じずにはいられませんでした。

私が何より驚いたのは、その実の可愛らしさだけでなく、たくましい生命力です。土質を選ばず、成長が早く、潮風や大気汚染、病害虫にも強いというから驚きです。用水路脇という、決して恵まれた環境とは言えない場所で、こんなにも立派に育ち、豊かな緑を茂らせていることに、なんだか心が震えました。

そして、用水路沿いにかなりの本数が植わっているのを見て、さらに感慨深い思いがこみ上げました。

「きっと、この地の先人たちが、この干拓地の造成計画の中で、後世のために植林したんだろうなぁ…」

そう考えると、ただの街路樹ではなく、先人たちの知恵と努力、そして未来への思いが詰まった存在に見えてきました。厳しい自然環境から田畑を守り、人々の暮らしを支えるために、長い年月をかけて整備されてきた用水路。田んぼの用水路と言う一見殺風景になりがちなところに、紅葉の綺麗なトウカエデを植林したと言う先人の干拓地への夢と希望を感じました。名もなき先人たちの姿が目に浮かぶようです。彼らがどんな思いでこの木々を植えたのか、想像するだけで胸が熱くなりました。

トウカエデ

普段、何気なく通り過ぎていた用水路脇の風景。そこに、実はこんなにも奥深い歴史と生命力を持った植物があり、さらに先人たちの深い思いが込められていたなんて。今日の偶然の出会いは、私にとって大きな発見でした。

秋にはきっと、このトウカエデが鮮やかな紅葉を見せてくれることでしょう。その時が来るのが、今からとても楽しみです。皆さんも、もし用水路脇や街路樹で、この特徴的な実を見かけたら、ぜひトウカエデの生命力と、そしてそれを植えた先人たちの知恵に思いを馳せてみてください。きっと、いつもの景色が少し違って見えるはずです。

改めて、自然の奥深さと美しさ、そして先人たちの偉大さに感動した一日でした。

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