2025年マイコス米栽培実験記録 〜3つの栽培パターン比較〜

最終更新日 2025年8月3日 by やまふじ農園

はじめに

今年も京都・伏見でマイコス米の栽培実験に挑戦しています。今年で3年目です。

昨年、栽培してみて感じたのはやはり、草の問題で、いかに生やさないかと言うことが課題だと感じました。もっと稲の隙間を狭くして雑草が生えてくる場所を少なくするのが良いのでは?と昨年田んぼを見ながらそう思いました。播種条間を狭くする。播種量を多くする。これを基本方針にしました。
今年3つの異なる栽培パターンで比較検証を行っています。種まきから現在(7月上旬)までの成長記録をお届けします。
当初の計画ではパターンAだけの予定でしたが種もみの消費が計算通りに行かず薄播きになってしまい余ってしまったため他の畑にも播種しました。

パターンA:基本栽培(道下1反)

  • 播種条件:条播き、条間20cm
  • 播種量:5.3kg/反
  • 施肥:オール14(10kg/反)+ 硫安追肥

パターンB:(海老芋予定地2畝)

  • 播種条件:条播き、条間20cm
  • 播種量:8.7kg/反
  • 施肥:ヘアリーベッチ+ペレット鶏糞

パターンC:畑地、散播

  • 播種条件:散播
  • 播種量:約10㎏/反
  • 基肥:なし。
  • 特徴:客土して地上げした畑地

栽培記録詳細

5月15日〜16日:種まき開始

共通作業

  • マイコス菌:種もみ1kg当たり5g使用
  • イーストガード200倍液でコーティング処理
  • ゴーゴーサン散布(20Lに56ml)

パターン別状況

  • パターン1:予定より播種量が少なくなってしまう(9kg→5.5kg)
  • パターン2:パターンAの反省から播種量増加するも目標量を下回る(8.7kg/反)
  • パターン3:散播で作業効率向上。散粒機のシャッター全開で蒔いたところ概ね目標値に達する。(約10㎏/反)

初期の課題 播種深度が浅く、籾の露出を多数発見。ゴーゴーサン散布時の薬害リスクが心配でしたが、そのまま作業を継続しました。

6月5日での様子。播種後20日経過

  • 播種後20目の様子
  • 播種後20目の様子
  • 播種後20目の様子
  • 播種後20目の様子
  • 播種後20目の様子
  • 播種後20目の様子

6月14日:追肥作業

パターン1・2

  • オール14を10kg/反施肥
  • 散粒機使用で作業時間大幅短縮(3分程度)

パターン3

  • 有機肥料で十分な肥効があるため追肥見送り

6月17日〜21日:除草対策

雑草の発生状況 各パターンで雑草発生に差が出始めました。

除草剤散布

  • ロイヤント乳剤:水10Lに16〜24ml
  • 効果は良好、手動噴霧器でも十分な効果

追肥(窒素)

  • パターン1・2:硫安で窒素4kg/反追肥
  • パターン3:有機肥料のみで良好な生育

6月28日〜7月2日:除草剤の再散布

問題点

  • ヒメシバの発生が深刻
  • 広葉雑草の復活

対策

  • クリンチャーEW 1000倍希釈で重点散布
  • 展着剤・別海汁との混用で効果向上

現時点での比較考察(7月上旬)

成長状況

  1. パターン3(有機栽培):最も良好な生育
  2. パターン2(密植):中程度の生育
  3. パターン1(基本栽培):やや生育遅れ

雑草抑制効果

  • パターン3:有機物豊富な土壌で雑草抑制効果が高い
  • パターン2:密植による雑草抑制効果あり
  • パターン1:雑草発生が最も多い

作業効率

  • パターン3:散播により播種作業が最も効率的
  • パターン2・1:条播きで精密だが作業時間長い

今後の予定と注目ポイント

7月中旬以降の管理

  • 各パターンの生育差の推移観察
  • 病害虫発生状況の比較
  • 最終的な収量比較

来年への改善案

今年の実験結果を踏まえ、来年は以下の方針を検討中:

  1. 基本方針:ヘアリーベッチによる土づくりとペレット鶏糞施肥
  2. 作業手順
    • ヘアリーベッチすき込み + 鶏糞施肥
    • マイコス米散播
    • トラクター覆土鎮圧
    • 除草剤散布(ラウンドアップ + ゴーゴーサン + 別海汁)

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