最終更新日 2025年6月11日 by やまふじ農園
梅雨入りで発覚した水管理の課題とリスク

今日は令和7年の梅雨入りを迎えた。昨晩から雨が降り続いていて、まさに梅雨らしい本格的な雨模様だ。
昨日の夕方、いつものように水見回りをした時は、ほぼすべての田んぼが順調だった。適正な水位を保っていて、これなら大丈夫だと思っていた。ところが、今朝起きて田んぼを見に行くと、半数ほどの田んぼで植えたばかりの苗が水没しそうになっていた。やはりというか、オーバーフロー排水の設定が不十分だったのが原因だった。
植えたばかりの苗が水没しそうになると、いつも不安になってしまう。このまま枯れてしまうのではないかと心配になる。何年か前にも同じような経験をしたことがあるから、その時の記憶がよみがえってくる。
それに加えて、ジャンボタニシの問題もある。苗が水没していると、奴らがよく食べてしまうのだ。水没した苗は柔らかくて食べやすいのだろう。これまでの経験から、ジャンボタニシの被害を受けやすいことがよく分かっている。今年は米価が高いから、こういうロスは本当に痛い。ジャンボタニシによる食害や水没による苗の消失は、絶対に避けたい。
正直なところ、ジャンボタニシがいない土地での稲作が羨ましくて仕方ない。この厄介な生き物がいるだけで、稲作の難易度が格段に上がってしまう。ジャンボタニシには結構神経質になってしまうし、常に気を使わなければならない。水管理一つとっても、彼らのことを考慮に入れなければならないのが本当に面倒だ。
今年は例年よりジャンボタニシの活性が低いような印象がある。あのピンク色の卵塊も、この時期の割には例年より少ない気がする。もしかすると気候の影響なのだろうか。でも、活性が低いからといって油断するととんでもないことになる。過去にそんな経験があるから、今年も気を抜くわけにはいかない。
近所で安定して良い米を作っている農家さんを見ていると、この水管理の部分がしっかりしているのがよく分かる。田植えから苗の成長が非常に安定している。やはり苗を植えてからの初期生育の良し悪しが、最終的な収量まで影響するのだと思う。田植え後に順調に育つ田んぼ作りこそが、米作りの基本なのだ。
低コストで実現する排水設備の改善方法
今日は本来なら午前中に精米作業をして、昼から畦の草刈りをする予定だった。でも、この水没問題を放置するわけにはいかない。急遽予定を変更して、すべての田んぼの排水オーバーフロー設定を見直すことにした。多くの田んぼで排水溝の作りが甘かったから、これを機にきちんとした設備に改善しようと決めた。
幸い、家にプラスチックの波板がたくさん余っていた。これをどう処分しようかと思っていたところだったので、ちょうど良い機会だった。電動ノコギリで適当な大きさに切って、肥料袋とマルチ押さえ用の太い針金と組み合わせて使うことにした。スコップと合わせて、比較的短時間で良い排水設備が作れた。
材料費もほとんどかからないし、施工も簡単だった。これなら今年一年は十分に使える排水設備になったと思う。手持ちの材料を有効活用できて、なかなか良いアイデアだったと自分でも満足している。
田植え後の適切な水位管理と今後の展望
今日の作業で、今年の梅雨はなんとか乗り切れそうだと感じている。やはり成長段階に応じた管理が重要だ。田植え直後から苗が一定の大きさになるまでは、水位管理が最も重要になる。苗がある程度成長してしまえば、通常通りの管理で問題ない。
近年は雨が降る時は一気にドカンと降るので、雨の水量が昔とは比べものにならない。だからその水対策、特に排水対策には非常に気を使うようになった。この時期の畑作物は特に排水対策に近年は神経を使う。お米はまだそこまで気を使うこともないが、やはり先ほども述べた通り、初期生育段階で苗が小さい間は本当に気を使う。
苗がそこそこの大きさに成長すれば、それほど神経質に排水を気にする必要はない。いつものように排水溝を塞いでも大丈夫だ。問題は田植え直後から苗がある程度の大きさになるまでの期間だ。水位の増減で簡単に水没しない状態まで成長させることが何より大切だ。この時期の管理こそが、一年の米作りを左右する重要な要素だということを、今日改めて痛感した。
梅雨時期の突然の大雨に備えて、事前の準備と素早い対応が必要だ。今回の経験を活かして、来年はもっと早い段階から排水設備の点検・整備を行おうと思う。やはり初期管理の徹底こそが、安定した米作りの成功の鍵なのだ。
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