九条ねぎの歴史と特徴:古来より続く京都の伝統野菜

最終更新日 2023年12月16日 by やまふじ農園

京野菜のなかでもその歴史は一番古い。
和銅4年(西暦711年)から栽培されているというから、平安京遷都より歴史が古い。

東寺の東南部、九条地域のねぎの品質が良かったところから、九条ねぎの通称が定着した。

大正時代、九条地域を中心に250ヘクタールほど栽培されていたらしいが、市街化にともない、上鳥羽、下鳥羽に移る。

今でもこの地域には「葱○○」という屋号もつ葱専業業者(ねぎ屋)が複数存在する。

九条ねぎの栽培農家は、ねぎを栽培収穫し、市場に出荷したり、ねぎ屋号と契約して納品したりする。

ねぎ屋との契約では、農家は栽培だけして、ねぎ屋が収穫して、その後の調整、加工、販売するやり方も盛んだ。

九条ねぎには2種類あり、九条太系(黒種 くろだね)と九条細系(浅黄種 あさぎだね)の2種類。

九条細系は細長くで分けつしやすい。収量が多い。比較的大暑性もあり夏期にも収穫できる。
九条太系は、九条細系より、葉色が濃緑色で茎が太いが分けつは少ない。
良質で耐寒性が強い。

九条ねぎの旨さは何といっても冬場で、ねぎ内部に透明のドロッとしたあん(粘性物質)がたっぷりとできる頃である。
冬場、何度も霜にあたり、あんをたっぷり含んだ九条ねぎほど旨いねぎは無い。

やはり、九条細系より九条太系の方があんが多い。

現在市場出荷されているのは、圧倒的に九条細系が多い。

九条ねぎのルーツ、九条には弘法大師が建てた東寺があり、東寺では毎月21日に縁日(
弘法さん)がある。

この日には付近の農家はねぎを食べない慣習がある。

これは弘法大師が大蛇に出会ったとき、ねぎ畑に隠れて難を逃れることが出来た為

ねぎを食べると一家に不幸がとずれるという言い伝えがあるためである。

露地に10月頃、播種し3月頃まで育苗。
その苗を畑に定植する。
7月下旬収穫し、根際から15センチのところで切って約1カ月程天日乾燥させる。
これでやっとねぎ苗の完成。
8月下旬、2,3本ずつ定植し、11月頃収穫する。
播種から収穫まで1年以上かかる、見かけ以上に手間暇かかる野菜である。

九条


上鳥羽

下鳥羽

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